本番環境に vSAN を導入するときには厳密にハードウェア互換性などを確認する必要があります。
しかしその反面、動作確認、機能検証、デモンストレーションといった用途のためであれば
手軽なネステッド環境で vSAN を構築することができます。
そこで今月は1日1回くらい、
ネステッド環境で、さまざまな vSAN を構成してみようと思います。
ソフトウェア バージョンは、2018年12月時点で最新の vSAN 6.7 u1 を利用しています。
一連の投稿へのリンクは下記をどうぞ。
ネステッド vSAN と、その構築方法については下記もどうぞ。
ネステッド vSAN ラボを構築するための工夫 Part.1。(物理 マシン ESXi ~ VCSA デプロイ)
ネステッド vSAN ラボを構築するための工夫 Part.2。(物理マシン ESXi と ESXi VM の準備)
ネステッド vSAN ラボを構築するための工夫 Part.3。(vSAN クラスタ構築)
ネステッド vSAN ラボを構築するための工夫 Part.4。(スクリプトでの簡素化)
1日目は、vSAN の基本操作・動作を確認しやすい、
運用観点での最小構成である 4ノード構成のネステッド vSAN を構築してみました。
- ESXi は 4ノード
- ハイブリッド(SSD + HDD)ディスクグループ
- ディスクグループは各ノードで 1つずつ
- 重複排除・圧縮 は無効のまま
- フォールト ドメインはデフォルト構成のまま
- vCenter は vSAN 外部に配置
それでは、構成したネステッド vSAN 環境を vSphere Cilent (旧 HTML5 Client)でひととおり見てみます。
ネストの外側と、ネストの内側。
ネステッド vSAN を構成する ESXi は、VM です。
「ネストの外側」から実体の VM を見ると、ゲスト OS が VMware ESXi になっています。
一方「ネストの内側」となるハイパーバイザから見ると、
サーバのモデルが「VMware Virtual Platform」です。
ネステッド vSAN で主な画面を眺める。
vSAN 6.7 U1 では、基本的に HTML5 版の vSphere Client から操作できるようになっています。
(Flash 版の vSphere Web Client ではなく)
HTML5 版の vSphere Client でサポートされるようになった機能は、下記のドキュメントで確認できます。
Functionality Updates for the vSphere Client
それでは、vSAN の UI を表示してみます。
設定 → vSAN → サービス
今回はデフォルトで無効なものは、そのままです。
設定 → vSAN → ディスク管理
各ノードには、1つのディスクグループが作成されています。
ディスクグループあたり、キャッシュ層 SSD が 1つ、キャパシティ層 HDD が 1つあります。
設定 → vSAN → フォールト ドメイン
フォールト ドメインはデフォルトのままで特に構成していないので
各ノードそれぞれがフォールト ドメインとなっています。
設定 → vSAN → iSCSI ターゲット サービス
vSAN iSCSI ターゲットも無効のままです。
監視 → vSAN → 健全性
ネステッド環境はそもそも本番環境ではサポートされておらず、ハードウェア互換性などを無視しているので
そのぶんエラーや警告などは表示されます。
そのため、検証目的やデモ内容に直接関係ないものは、わりきって無視します。
監視 → vSAN → 仮想オブジェクト
この vSAN にはまだ VM を配置していないので、仮想オブジェクトもまだありません。
監視 → vSAN → 物理ディスク
監視 → vSAN → オブジェクトの再同期
この vSAN にはまだ VM を配置していないので、この画面にも特に表示されません。
監視 → vSAN → プロアクティブ テスト
ネステッド vSAN でも、プロアクティブ テストは利用できます。
(利用例は、後の投稿にて)
監視 → vSAN → 容量
vSAN データストアでは、ESXi VM に割り当てた VMDK ファイルの容量が認識されます。
そのため ネステッド ESXi に接続する VMDK をシン プロビジョニングにしておけば、
外側の物理マシンのストレージ容量を超えた、大容量 vSAN のデモ環境も作成できます。
監視 → vSAN → パフォーマンス
今回は vSAN パフォーマンス サービスを有効化していないので、なにも表示されていません。
監視 → vSAN → パフォーマンス診断
監視 → vSAN → サポート
このように、基本操作や画面確認であれば、ネステッド vSAN でも、通常の vSAN 同等に利用可能です。
VMware の提供するオンラインのハンズオン ラボでもネステッド vSAN が利用されています。
つづく。